ソフトレザーでの張替え
ソフトレザーとは合皮の中でも本革に近いような柔らかい質感で仕上げている上質な合皮になります。
もちろんメリットデメリットがありますが、金額を抑えつつ高級感もしっかりと出すことができるので、
きぬがわ椅子張替工房では本革から張替えをされるお客様にソフトレザーをオススメさせていただくことが多いです。
どうしても本革よりも持ちが悪いということがありますが、金額にかなり差があるということと、基本的に乾拭きをするだけでお手入れは大丈夫ですので、お手入れのしやすさという面でもソフトレザーをオススメしております。
本革の方が持ちが良いのは間違いありませんが、お手入れや環境(直射日光が当たる時間が多いなど)次第では本革であっても劣化が早いケースもあります。
財布やカバンくらいの小物であれば革の手入れもしやすいですが、ソファーくらい大きいもので手入れを続けていくのなかなか大変ですよね…
正直なところそもそもどんなお手入れをすればいいのかわからなかったり、中々時間を取れず、お手入れをされていない方が多いのではないでしょうか?
そういったことも含め、本革・ソフトレザー双方にメリットデメリットがあるので、合皮のクオリティーも見たうえで判断していただければ幸いです。
ということで今回は本革からソフトレザーで張り替えた事例のご紹介です。
張替え前がこちら
一部がかなりはがれてきてしまっていますね。
長年使用しているソファーで同じような状態になっている方も多いのではないでしょうか?
本革の場合、生地を広く取れる部分が少ないため、つぎはぎで使用するのでステッチ加工が施されている箇所が多くなります。
これがまた手間がかかる部分ではあるのですが、デザイン的にもこれがあるのとないのではイメージが変わってしまうため、合皮に張替える場合でも基本的には元と同じように再現させていただきます。なので、こういったデザインのソファー張替えは張上げ作業も大事なのですが、型出し作業がほぼすべてと言っても過言ではないくらいとても重要な作業になってきます。
職人の経験から微妙なサイズ感の調整をして同じ様に、むしろ新品以上に作る職人の技術は本当に素晴らしいです。
そして仕上がりがこちら
どうでしょうか?写真では質感は伝わらないのが残念ですが、本革に引けを取らないとても高級感があって座り心地のよい椅子に仕上がりました(^^)
実際ソファーの持ちは使用頻度や環境にもよりますし、何を基準として考えるか人によっても違うので何とも言えないところがありますが、実際お客様でも10年近く使用していてもまだきれいな状態を保たれている方もいらっしゃいます。
きぬがわ椅子張替工房では外見だけでなく中もお客様が長く使用できるようにしっかり修繕させて頂きます。
椅子は中を開けてみないと分からないことが多いです。逆に言えばお客様も中はどうなっているか分かりません。そこで見えないからと言って手を抜くようなことはせず、お客様が長く使用できるように故障箇所はしっかりと修繕して納品させていただいております。
これからもお客様に長く愛される椅子を作っていきたいと思います。